国産サカキ再び脚光 日本農業新聞 2021.03.26

日本農業新聞 2021.03.26

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国産榊(さかき)生産者の会事務局 奥山完己さん(59、東京都八丈町)
実需側が国産に注目している状況は間違いない。期待に応えるため、周年安定供給が生産者共通の課題だ。会では全国の生産者が情報交換や技術の公開で、互いに品質を高め合っている。研修を希望する声は多く、生産情勢も盛り上がりつつある。栃木県では太陽光パネルの日陰を利用するなど、新しい動きも広がっている。販売面では1束だけの需要も高い。新しい販促スタイルを模索していく必要がある。

国産品の利点は日持ちや結束の美しさ。ただ、結束作業は難しく「売り上げに見合わない」と感じる人が多い。店頭価格は1束(7本)500円ほど。そのため産地では、時間に余裕があり趣味的に生産する高齢者が多くを占めていた。新たな生産者を確保し、増産を軌道に乗せるには手取りの増加が不可欠だ。そこで九州日観植物は、7、8本の束が主流の中、1本ずつのバラ売りを導入。量目を減らした商品も作った。ほぼ据え置きの価格で、230グラムから150グラムに変えた規格も用意した。少量買いのニーズをつかむ狙いは当たり、「10年で単価は2倍になった」(同社)。